最近、自分の生まれ持った性質や人生の流れについて、もっと深く知りたいと思うことはありませんか?四柱推命は、生年月日と生まれた時間から導かれる四本の柱(年柱、月柱、日柱、時柱)を通じて、自分自身のエネルギーバランスや傾向を理解するための、古くから伝わる東洋の知恵です。しかし、自分で命式を出そうとすると、時柱の導き方でつまずく方が多いようです。今日は、そのカギとなる「日上起時法」というシンプルな方法を、誰でも使えるように分かりやすくご紹介します。
「日上起時法」の基本と覚え方
四柱推命で時柱を決める核心となるのが「日上起時法」です。これは、日柱の天干(十干)を基準にして、その日の最初の時刻である「子の刻」(23時〜1時)の天干を導き出す方法です。起点となる「子」の干支が決まれば、あとは順番に「丑」「寅」「卯」…と干支を当てはめていくだけで、一日のどの時刻の時柱も簡単に求められます。
「五鼠遁(ごそとん)」の歌訣をマスターしよう
この方法のエッセンスは、次の六句の歌訣に凝縮されています。伝統的に「五鼠遁」とも呼ばれるこの口訣は、四柱推命の基本中の基本です。
「甲己還加甲、乙庚丙作初。丙辛従戊起、丁壬庚子居。戊癸何方発、壬子是真途。」
少し難しく感じるかもしれませんが、一つずつ見ていきましょう。この歌訣は、日柱の天干によって、その日の「子の刻」がどの干支から始まるかを教えてくれます。
- 「甲己還加甲」:日柱の天干が「甲」または「己」の日は、子の刻が「甲子」から始まります。
- 「乙庚丙作初」:日柱の天干が「乙」または「庚」の日は、子の刻が「丙子」から始まります。
- 「丙辛従戊起」:日柱の天干が「丙」または「辛」の日は、子の刻が「戊子」から始まります。
- 「丁壬庚子居」:日柱の天干が「丁」または「壬」の日は、子の刻が「庚子」から始まります。
- 「戊癸何方発、壬子是真途」:日柱の天干が「戊」または「癸」の日は、子の刻が「壬子」から始まります。
ここで決まるのは「子の刻」の天干だけです。地支(十二支)は毎日固定で、子(23-1)、丑(1-3)、寅(3-5)、卯(5-7)、辰(7-9)、巳(9-11)、午(11-13)、未(13-15)、申(15-17)、酉(17-19)、戌(19-21)、亥(21-23)の順番です。「子」の完全な干支が分かれば、あとは十干と十二支を順に組み合わせていくだけです。
実際に使ってみよう:具体例で確認
具体例で見ると、とても簡単です。例えば、丙戌の日の申の刻(15-17時)に生まれた人の時柱を求めます。
- まず、日柱の天干は「丙」です。歌訣「丙辛従戊起」に当てはめ、この日の子の刻は「戊子」から始まります。
- 「戊子」から順に干支を並べます:丑の刻は己丑、寅の刻は庚寅、卯の刻は辛卯、辰の刻は壬辰、巳の刻は癸巳、午の刻は甲午、未の刻は乙未、申の刻は丙申。
- よって、求める時柱は「丙申」となります。
もう一例、己亥の日の辰の刻(7-9時)に生まれた場合。
- 日柱の天干は「己」。歌訣「甲己還加甲」より、子の刻は「甲子」から。
- 順に並べると:丑の刻は乙丑、寅の刻は丙寅、卯の刻は丁卯、辰の刻は戊辰。
- 時柱は「戊辰」です。
このように、日柱の天干さえ分かれば、どんな時刻の時柱も簡単に導き出せます。

時柱が教えてくれること:人生の「帰着点」
時柱は四柱の中で最後に導かれる柱ですが、その意味は非常に重要です。四柱推命において、時柱は人生の「帰着点」や「晩年の運勢」、内面の性格の一端、そして子孫縁などを表すとされています。
時柱の天干(時干)と日柱の天干(日干)との関係は、その人の持つ様々なエネルギー傾向(通称:十神)を判断する重要な材料となります。例えば、時干が日干にとって調和的な「正官」のエネルギーを持つ場合、それは社会的な信用や穏やかな晩年、あるいは礼儀正しい子孫に恵まれる傾向を示唆することがあります。また、時柱に「財」のエネルギーが強く現れている場合は、晩年に至るまで経済的な安定や、自身の努力の実りを享受する可能性を読み取る手がかりになります。
正確な時柱を知ることは、自分自身の人生の全体的な流れや、異なる人生ステージでどのようなテーマが現れやすいかを理解するために、欠かせない一歩なのです。これはあくまで傾向を知るための地図のようなもので、固定された運命を示すものではありません。自分らしい人生を歩むための、一つの気づきのツールとして捉えてみてください。
覚え方のコツと注意点
歌訣を覚えるコツは、各句の三文字目(甲、丙、戊、庚、壬)に注目することです。これらは陽の干である「甲・丙・戊・庚・壬」が順番に並んでいます。このリズムを意識すると覚えやすくなります。
よくある質問として、「23時ちょうど前後の、時刻の境界で生まれた場合はどうすればいいの?」というものがあります。例えば、23時05分の出生です。四柱推命では、日付の切り替わりは23時(子の刻の始まり)とされています。23時から翌日1時までは「翌日の日付」の子の刻として扱います。したがって、23時05分生まれの場合は、日柱は翌日の干支を用い、その翌日の日干に基づいて「日上起時法」で子の刻の干支を求めます。この点を間違えると命式が全く変わってしまうので、注意が必要です。
四柱推命は、四柱のバランスや、その後の運勢の流れを総合的に見ていく深い学問です。時柱の導き方はその第一歩に過ぎません。自分自身のエネルギーの特徴を知ることは、強みを活かし、より自分らしい選択をしていくためのヒントになるでしょう。この「日上起時法」が、自己理解への好奇心を深めるきっかけとなれば幸いです。
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