月柱の天干を簡単に導く「五虎遁」の使い方と覚え方

本日のキーワード: 天干詳解

最近、自分の運気やエネルギーの流れに興味を持ち、四柱推命を学び始めた方も多いのではないでしょうか。しかし、生年月日から命式(四柱八字)を立てる際、特に「月柱」の天干をどう決めるかで戸惑うことがあるかもしれません。年柱は調べればわかり、日柱には計算式があり、時柱にも「五鼠遁」という方法があります。では、月の天干は?実は、古来より伝わる「五虎遁(ごことん)」という簡便な口訣(覚え歌)があるのです。今回は、この「五虎遁」の核心を、自己理解のためのツールとして、わかりやすくお伝えします。

五虎遁の基本原理と実践的な使い方

五虎遁とは?その役割を理解する

五虎遁とは、その名の通り、月柱の「天干」を導き出すための方法です。「遁」は、ここでは「推算する」「見つけ出す」という意味。その根本的な役割は「ある年の年干(年の天干)から、その年の各月の天干を、速やかに正確に導き出すこと」にあります。四柱推命における月柱は、天干と地支で構成されます。月の地支(月令)は固定されており、正月は常に「寅」、二月は「卯」…と決まっています。しかし、月の天干は年によって変化します。この変化の規則を与えてくれるのが、五虎遁という「ものさし」なのです。

完全版の口訣と、一句ずつの詳しい解説

この口訣は全部で五句、わずか二十文字ですが、すべての可能性を網羅しています。一句ずつ、その意味を確認していきましょう。

  • 「甲己之年丙作首(こうきのとしひにいはじめとなる)」 — 年干が「甲」または「己」の年は、正月(寅月)の天干は「丙」から始まります。つまり、正月は「丙寅月」です。
  • 「乙庚之岁戊为头(おつこうのとしぼいがしらとなる)」 — 年干が「乙」または「庚」の年は、正月の天干は「戊」から。正月は「戊寅月」です。
  • 「丙辛必定寻庚起(へいしんかならずこうをたずねおこる)」 — 年干が「丙」または「辛」の年は、正月の天干は「庚」。正月は「庚寅月」です。
  • 「丁壬壬位顺行流(ていじんじんのくらいじゅんこうにながる)」 — 年干が「丁」または「壬」の年は、正月の天干は「壬」。正月は「壬寅月」です。
  • 「若问戊癸何方发,甲寅之上好追求(もしいわくぼきいずかたにはっすれば、こういんのうえによいもとむ)」 — 年干が「戊」または「癸」の年は、正月の天干は「甲」。正月は「甲寅月」です。

この五句を覚えることが、五虎遁の核心を掴むことになります。この規則の背景には、五行の「相生」の理(甲己は土に合化し、それを生むのは丙火、など)が流れています。

正月から一年の月干を導く:実践的なステップ

正月(寅月)の天干がわかれば、後の月の天干は非常に簡単です。天干の順序(甲→乙→丙→丁→戊→己→庚→辛→壬→癸)に従って、一つずつ順に当てはめていくだけです。地支の順序(寅→卯→辰→巳→午→未→申→酉→戌→亥→子→丑)は固定されています。

例として、年干が「甲」の年を考えてみましょう。口訣により、正月は「丙寅月」です。すると、二月は天干を「丙」の次である「丁」、地支を「寅」の次である「卯」とし、「丁卯月」。三月は「戊辰月」…というように、十二月まで導くことができます。

ここで重要な注意点があります。四柱推命における月の切り替わりは、旧暦の月初めではなく、二十四節気の「節」を厳密な基準とします。 例えば、正月「寅月」は立春から啓蟄の前日までです。この点を間違えると、月柱自体が変わってしまうため、正確さが求められます。

月柱の天干を簡単に導く「五虎遁」の使い方と覚え方

もう一歩深く:五虎遁の由来とよくある疑問

なぜ「五虎遁」という名前なのか?

「虎」は十二支の「寅」を指します。正月が寅月(虎月)であることから、「虎」はここでは「寅月」を意味します。「五虎」とは、年干を五つの組(甲己、乙庚、丙辛、丁壬、戊癸)に分け、それぞれが特定の寅月天干に対応することを表しています。「遁」は推算。つまり、「年干の五つの組分けに基づいて、寅月の天干を推算する方法」という意味が込められているのです。

「五鼠遁」との比較と関連性

月干を導く「五虎遁」に対して、時干を導くのが「五鼠遁」です。この二つは、四柱推命の命式を立てる上での「兄弟口訣」と言えます。五鼠遁の口訣は「甲己還加甲、乙庚丙作初…」で始まります。原理は似通っていますが、適用する場面が異なります。五虎遁は「月」を対象とし「年干」を基準に「寅(虎)」から始め、五鼠遁は「時」を対象とし「日干」を基準に「子(鼠)」から始めます。この二つをマスターすれば、月柱と時柱の天干を素早く算出できるようになります。

月柱の六十干支サイクル

年柱や日柱が六十干支で循環するように、月柱にも六十干支の循環があります。五虎遁の規則により、月柱は60ヶ月(5年)の周期で完全に一巡します。年干は10種類で5組に分かれ、それぞれが決まった正月天干と結びついています。これに12種類の地支が組み合わさるため、最小公倍数である60通りの組み合わせ(六十干支)が生まれ、5年後に同じ月柱が巡ってくるのです。

心に留めておきたいこと: 四柱推命の知識は、人生という旅路の地形や気候の傾向を知る「地図」のようなものです。五虎遁を理解することは、その地図を正確に描くための大切な道具を手に入れること。しかし、地図が運命そのものではないように、命式は可能性や傾向を示すものです。自己のエネルギーバランスを知ることは、人生の流れをより主体的に、心地よく歩んでいくための一助となるでしょう。月柱は全体の一部です。命式を読み解く際は、四柱八字の総合的なバランスから見ていくことが大切です。

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